メタボは長生き?

      2016/07/10

metaboric-syndrom

当サイトは『ダイエットに効く食べ物』というタイトルで痩せを中心に扱っていますが、今回は太っていることを肯定的に見てみたいと思います。

 

「何だかだらしない体になっちゃったな・・・」

風呂上り、鏡に映った己の姿に落胆したことのある人は多いでしょう。

「若い頃はスマートだったのに」「学生時代は筋肉隆々だったけど・・・」

という具合に在りし日のスマートな体型との落差がまたショックを倍増させてしまうものです。

ただ、そんな中年太りも見方を一つ変えるだけで良いイメージで語ることも不可能ではありません。

それは、生物的に見て「太ることは進化した姿である」ということです。

 

その理由は17万年にも及ぶ人類の歴史・・・つまり、飢えとの戦いにあります。

稲作文化が始まる紀元前2000年前後まで、人類の祖先が誕生してから16万8千年の間、人間はずっと他の動植物を狩って食べる狩猟文化を営んでいました。

それはいつ食べ物にありつけるか分からない不安定な危険な状態の連続でした。

そんな環境に適応するために私たち人間は遺伝子レベルで「倹約遺伝子」というものが働くようになりました。

これはその名の通り、食事にありつけたときは「少しでもエネルギーを体の中に残そう!」と脂肪として体内に蓄積させる機能です。

もっとも、食べたもの全てが脂肪になるというわけではありません。一部はグリコーゲンという糖質の一種として筋肉の中に蓄えられます。

脂肪とグリコーゲン

グリコーゲンは脂肪と一緒に燃料のように蓄えられ、体を動かすエネルギーとして活用されます。

「同じような働きをするなら食べたものは全部グリコーゲンになればいいのに・・・」  そう思った方がいるかもしれません。

しかし、人間が食べ物をグリコーゲンではなく、なるべく脂肪として蓄えようとするのには“両者の性質の違い”という理由があります。

まず、グリコーゲンは脂肪と比較して燃えやすいのがその特徴です。

普段は筋肉の中に蓄えられていますが、いざというときはすぐにエネルギーに早変わりするので、瞬発力が必要な筋肉の運動に利用されます。

ただし、グリコーゲンは燃費の悪さがその弱点です。

具体的には1グラムでわずか4キロカロリーのエネルギーにしかなりません。

したがって、動くためのエネルギーを全てグリコーゲンで賄おうとすると体重が重くなります。

そのため、人間の体はおよそ200グラムのグリコーゲンしか体内に蓄えられないように進化してきました。

これに対して脂肪は全く反対の特徴を持っています。

まず、グリコーゲンのようにすぐには燃焼しません。したがって、瞬発的な運動ではなく、呼吸や循環といった持久力が問われる基礎代謝に使われます。

そして何より燃費の良さが脂肪の最大のウリ(?)です。

脂肪は1グラムで9キロカロリーものエネルギーを生み出します。グリコーゲンの2倍以上のエネルギー効率ですね。

さらにグリコーゲンよりもずっと軽いので無尽蔵に体の色々な部位に溜め込むことができるという長所があります。

皮膚のすぐ下であれば皮下脂肪として、内臓回りであれば体内脂肪として・・・脂肪はありとあらゆる場所に蓄えることができるわけです。

このように、食べ物は脂肪として蓄えておくことが飢えに対する備えとしては最も効率的、というわけです。

贅肉は不健康とは言い切れない

こうして人類はその長い歴史の中で、食べ物を脂肪として蓄えていく体に徐々に変化していきました。

メタボ、というと100%絶対悪のように見られがちですが、「苦境を生き抜くのに最適化した体」「飢饉に強い耐性を持った体」というと途端に頼もしく感じられませんか?

メタボリックシンドロームはいざという時のための準備を怠っていない生命力の強い人である証拠ともいえるわけですね。

事あるごとに忌み嫌われる脂肪ですが、その実態は、人類が生きていく上では欠かせない存在だったのです。

お腹まわりのお肉を見てネガティブになる気持ちは嫌というほどわかりますが、たまにはこんな発想の転換で気を紛らわすのもアリかもしれませんね。

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